信長の部下たち【レビュー その2】

信長の親衛隊―戦国覇者の多彩な人材 (中公新書)という本を先日読みました。織田信長の家臣というと秀吉や柴田勝家、それに明智光秀などを思い出す人も多いのではないでしょうか?

この本で取り上げているのはそういった有力な家臣ではなく、馬廻りとか近習と呼ばれる信長のそばを支える家臣たちの話。そばで支えた人物として一番有名どころは森蘭丸でしょうか。

地位からすると秀吉たち有力家臣>馬廻り・近習・小姓ですが、この本では、その彼らが秀吉たち有力家臣に指図する手紙も紹介されています。この話を読んだとき、ちょっと意外な感じがしましたが、秀吉たちが毎日、信長のもとにいるかといえばそうではなく、むしろ、彼らのほうがずっと、信長のそばにいるわけですから、信長の意向をうけたり、その意図をくみとって、指図の手紙を送ったと考えれば、至極当然なんですよね。

本を読んでいて感じたのは、信長が先進的な独裁者というイメージが少し違っていること。たしかに、決断の意にそぐわない人物や刃向かってきた人物には情け容赦していませんが、他の戦国時代の有力大名たちでもそれは大なり小なり同じこと。この本を読んでいて、どちらかといえば、彼は他の戦国時代の有力大名たちより家臣たちの意見を取り入れてきたのではと感じさせられました。

ふと感じたのだけど、実力があれば、家柄とか元敵とかということをあまり気にせず家臣に登用した戦国時代の大名って、かなりの確率で生き残っているような気がするが…どうだろうか?

 

信長の親衛隊―戦国覇者の多彩な人材 (中公新書)

著者/訳者:谷口 克広

出版社:中央公論社( 1998-12-01 )

新書 ( 250 ページ )



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